今更沓掛家のお盆
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- 書いた人 : 沓掛(兄)
大変大変ご無沙汰しております。
兄です。
サボりすぎてだいぶ時期を過ぎてしまいましたが沓掛家の大事なお盆のお墓参りについてお話していきます。
沓掛家のお墓は沓掛酒造の裏手にある山にあります。
山です。
なのでお墓参りは山登り要素が大きいので、小さい頃はめんど...オッホン。
行くのにはそれなりの準備が必要です。まず虫よけ対策。これが一番大事。対策が甘いと帰ってくるまでにひどいことになります。
第二に靴。山登りには靴ですよ。高校の頃おニューの白いスニーカーを履いていって真っ黒になり後悔しました(涙)。
こんな感じで約10分くらいの山登りをします。水の入った洗い用の桶をもってこの山道を登るのが地味につらいのです。
この状態の山道ですので、この地域の高齢者の方の中にはお墓参りに行かれない方が多く、最近ではお墓を下の別の地域に移動する世帯も多くなっています。
森林浴には良いのかもしれませんね。
結構な汗だくになった頃沓掛家のお墓に到着です。
お墓の裏には巨大な木がそそり立っています。うちの周辺には分家さんも含めて沓掛家のお墓が多数立っています。
ここの山は標高も高いのでここの場所は中腹とまではいきませんが結構な高さです。
今回は迎え盆なのでお墓をきれいに掃除してご先祖様に実家に来てもらう用意をします。
皆さんもやると思いますが、お墓の前で藁に火をつけ線香をお供えします。
沓掛家の場合この火を焚くときに歌を歌います。
「盆さん、盆さん、この火でお越しくーださい♪」
兄弟誰も覚えておりませんが、私は祖母から教わったこの曲はとてもよく覚えています。
ちなみに楽譜にするとこんな感じです。(記憶が頼りですので習ったものと違うかもしれません)
子供の頃は、この焚いた火をロウソクに移し、手下げ提灯で自宅の仏壇まで持ち帰りました。理由として覚えているのは「ご先祖様が自分の家に帰るのに迷わないように案内するんだよ」と言われていた記憶があります。
(画像:仏縁堂楽天市場店HPより:https://www.rakuten.co.jp/butuendo/)
普通の平地のお墓参りだったら良いのかもしれませんが、先に書きました通りうちのお墓は山。
この火を持ち帰るのは至難の業。子供の頃何度提灯が燃えてなくなったか。
現在はご先祖様をおぶってくるということで提灯はやっておりません(笑)
ここで先祖の墓の紹介です。
まずは沓掛権右衛門最後の襲名者のお墓
以下まとめです。
天正(1573年~1593年)12年 沓掛太郎左衛門
貞享(1684年~1688年)元年 沓掛権右衛門
延享(1744年~1748年)2年 沓掛権右衛門
慶應(1865年~1868年)4年 沓掛権右衛門
創業者以前の沓掛太郎左衛門がいるのには驚きですね。天正12年って。。翌年に天正大地震の起きてるやん。
歴史の長さを感じつつ、もう二か所(分家さんと昔酒造で働いていた方々の無縁仏の墓)の墓参りして下山です。
実家の前でもう一度藁を焚き、実家の仏壇に線香を付けて迎え盆終了です。
見てください。このご先祖様オールスター!
沓掛家のお盆料理はてんぷらと鮎の塩焼き、そして蒸かしナス(丸ナス)です。
もちろんてんぷらにはまんじゅうを揚げた「てんぷら饅頭」もあります。スーパーでてんぷら専用のまんじゅうも売っているのですが、昔から沓掛家は別所温泉の温泉饅頭を冷凍で取って置きそれを使用しています。
昔から当たり前のようにやっているお盆の風習ですが、奥さんが兵庫の人なのでうちのお盆の風習にはいろいろ驚いているようです。
お盆も過ぎてまだまだ暑いですが、もうすぐひやおろしの季節。最近の温暖化で「秋酒なのにまだ暑いではないか」とよく言われるのですが、長野県はひやおろしの解禁日を9月9日の「重陽の節句」としています。
昔の風習に倣って暑いですがひやおろしを楽しんでみましょうよ。
発売までもう少し。もう少々お待ちください。